USJまでの軌跡①

肢体不自由児の放課後デイCherry Blossom(中・高校生)

昨年末の忘年会でのこと。

デイでどんなことがしたいか、こども達に聞いたところ。


「旅行に行きたい!
みんなで泊まりにいきたい!」


カ、カラオケとか近場の楽しみ想定してたんですけど(-。-;

ま、まぁ、近くのコテージとかでキャンプ、からかなぁ。


「USJに行きたい!」


まじで・・・

若いスタッフは、結構乗り気。

とりあえず、こども達に理由を聞いてみました。

それによると。

彼らの学校は肢体不自由児の特別支援学校ですが、市立ということもあり、規模としては小規模。一学年でみても片手で足りる人数がほとんど。その中で医療ケアを必要とする重症児もみえます。

なので、修学旅行なども宿泊部屋で友達と「わいわい」ということにならず。先生とマンツーマンの部屋割りということもあるようで。行き先もだんだん近場になっているとか。

この数年は児童の重症化がみられ、安全面を考えてのことかと思います。

だからこそ

友達同士みんなで「お泊り旅行」をしたい!

そんな気持ちは自然なことなんだと思います。


私達にとってそういった経験や思い出は、社会で生きていく上での基盤となるような自信や、人との関わりにおける基礎を形成するひとつになっているような気がします。


とにかく。


みんなの想いを聞いてしまった私達。

えとせとらは、想いを実現するためにつくった法人でもあります。



やるしかないでしょう!


そんなことから企画はスタートしました。

せっかくなので、スタッフは限定的なサポートに留め、彼らの力で企画をつくってもらうことにしました。

デイの時間に集まったメンバーで、想いを集め、整理し、ラフプランをつくりました。色々やりたいことがあふれてきます。そこにかかる実費を計算したり、調べたりする作業。

自宅のネットで調べたり、宿泊先の状況確認などをしていました。車椅子の子がほとんどなので、対応できる環境を探すだけでもひと苦労です。

スタッフが同行する前提だったので、なぜ、そういった費用が必要になるのかの説明し、人件費も盛り込んでもらいました。

車いす対応の車両も、日本財団からいただいたキャラバンだけでは足りないので、レンタカーの手配が必要になります。

電話して探していましたが、4台乗せられる車両は近くのレンタカーにはありません。


大まかな費用がでてきました。


ひとりあたり、7~8万円。

介護者付きの旅行の値段としては、妥当なところかとは思います。

果たして、この金額。中・高校生の旅行に対し、家族はOK出すのでしょうか?


「たぶん出してくれるよ」

「うちはダメかなぁ」

それぞれ家族へのリサーチがはじまりました。


日程も、当初GWを計画していました。

GWの渋滞具合を彼らはうまく想像できていませんでした。


金銭感覚、足りない情報や知識。経験不足は否めません。


気持ちの盛り上がりと反比例するかのように、険しい壁がたちはだかってきました。


つづく。


カワチ